カラオケで若返るってホント?医師が教える驚きの健康効果

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投稿日:2025年11月13日 13:00

大好きな曲を大きな声で歌うと、心身ともにスッキリするもの。毎日のストレスをカラオケで発散しているという人も多いのではないでしょうか。

実はカラオケの効果はそれだけじゃないんです。ご自身もカラオケが大好きという医学博士の周東寛先生によると、ストレス発散のほかにも未病改善やアンチエイジング、認知性予防など、さまざまな健康効果があるのだそう。

今回はそんな周東先生にお話を伺い、その驚きの効果を詳しくご紹介。おすすめの曲のタイプや歌うときのポイントなども、ぜひ参考にしてみてください。

健康的に痩せられる他、生活習慣病の予防にも!

周東先生が理事長を務める南越谷健身会クリニックには、診療のモチベーションを上げるため、院内にカラオケルームを設置。患者さんはもちろん近隣の人々が集まってカラオケを楽しんでいます。ジャンルは童謡から演歌、ポップスまでさまざま。課題曲をみんなで歌うのも恒例なのだとか。

「カラオケに代表される音楽療法は予防医学の一つ。歌うことによって高血圧気味の人が正常値になったり、不眠症の人が眠れるようになったり、うつ症状から解放されたりと、たくさんの改善例を見てきました。

歌っていると、脳からアドレナリンやドーパミン、エンドルフィンなどのホルモンが分泌されます。私は“幸福ホルモン”と呼んでいますが、この脳内ホルモンのおかげで気分が上がり、ああ気持ちよかった!とストレス発散になるわけです。

ご存知の通り、ストレスは万病のもと。脳や循環器、呼吸器、消化器などの障害の原因になり、ストレスによって免疫力が下がるメカニズムも研究からわかっています。そこでカラオケでストレスを解消することが、ガンや感染症などの予防にも結びつくのです」

もちろん、ただ歌うだけでもいいけれど、より健康効果を上げるなら、腹式発声で歌うこと。お腹の底から声を出して歌うと内臓付近の筋肉が刺激されて代謝が上がり、内臓脂肪の燃焼=ダイエットに!腹式発声で1曲歌うと、消費カロリーは20kcal、5曲では100kcalになり、なんと20分以上自転車をこいだのと同じカロリーを消費できるのだそう。運動が苦手な人、体に負担をかけたくない人にもぴったりですね。

また、血行を促すことにより、血糖値や中性脂肪、血圧を下げるなど、生活習慣病の予防につながるほか、腹筋や横隔膜などの呼吸器系の筋肉が鍛えられる、腸に振動が伝わることで免疫力がアップするなど、さまざまな健康効果が期待できるのです。

「日頃の行動で健康を保つことを行動療法といいますが、病院ではなくカラオケに行って病気を防げるのですから、こんなに嬉しいことはありませんよね」

さらに、普段あまり使わない顔や舌の筋肉を動かすことで、老け顔対策にも!ちなみに、舌やのどの運動は、唾液の分泌を促し、口腔機能が活性化されるので、シニアに多い誤嚥性肺炎の予防にも役立つのだとか。

効果アップの秘訣は「感情を込めて」「歌詞を丸暗記」

このように、健康キープにさまざまな効果のあるカラオケですが、前述のように腹式発生で歌うだけではなく、意識すべきポイントがほかにもあります。

「脳から分泌される幸福ホルモンは、歌に感情移入するほど多く分泌されます。そこで、お気に入りの曲を3~4曲選び、心を込めて何度も歌い込むのがおすすめ。ひとりカラオケの場合も、仲間の前で披露するときのことを考えて、表情や振り付けなどをシミュレーションしながら歌いましょう。

大きな声で感情を込めて歌えば、聴いている人との一体感も生まれますよね。自宅で一人で歌うのもいいけれど、誰かと楽しくコミュニケーションできるのがカラオケの魅力ですから、聴く人の立場から歌い方を工夫するのもいいでしょう」

得意な歌を披露してスター気分になったり、同世代の仲間と当時の流行歌で盛り上がったり。みんなで楽しい時間を共有することで、幸福ホルモンの分泌量もアップします。他の人の歌を聴いている間も、リズムを取ったり唱和したりすると脳が活性化するのだそう。

もう一つ、周東先生がおすすめするのは、歌詞の丸暗記です。これは認知性の予防に効果絶大。 「カラオケでは画面に歌詞が流れますが、それを見なくても歌えるようになるのが理想的。歌詞を覚えることで脳が活性化し、記憶力が向上したり、もの忘れや認知性を防ぐことができます。何より、画面を見ずに歌えれば、表情や振り付けに集中でき、歌うことがもっと楽しくなるはずです」

感情を込めやすく、音程の起伏が大きい曲が効果大

カラオケでどんな曲を選ぶかによって、健康効果に違いはあるのでしょうか。周東先生によると「歌と同化できることが大切。イチ推しは演歌です」とのこと。

「喜怒哀楽が豊かで、音程やボリュームのアップダウンが大きい演歌は、感情移入しやすく、歌っていると気分が高揚しやすいんです。サビの部分でコブシを効かせて『ああ~』と大きな声を出すことで、大声発声や腹式発生も自然と身につきますよ」

演歌があまり得意でないなら、フォークソングやグループサウンズ、J-POPでももちろんOK。感情を込めて歌える曲、曲調に変化がある曲、途中で盛り上がりのある曲などのポイントで選曲してみて。

「歌を楽しむほどに健康になれるのが音楽療法。曲を選んだら、その歌詞のもつ切なさや哀しさ、つらさ、喜びなどをしっかり味わい、カラオケで思い切り表現してみてください」

カラオケで楽しく歌って、未病改善やアンチエイジング。手軽にできる健康対策として、ぜひこれからの習慣にしたいですね。

アドバイス

プロフィール写真:周東 寛 先生(総合臨床医・医学博士)

周東 寛 先生(総合臨床医・医学博士)(しゅうとう・ひろし)

1978年昭和大学医学部卒。医療法人健身会(https://medical-kenshinkai.com/)理事長。昭和大学藤が丘病院呼吸器内科兼任講師、獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科非常勤講師などを務める。独自の医学研究に基づく数多くの健康法を考案し、書籍、テレビ、ラジオなどで活躍。Youtube「DR.周東寛チャンネル」でもさまざまな健康法を発信中 (https://www.youtube.com/@dr.3763)。

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