仕事に追われる毎日の中で、ごはん作りは大きな負担。
ワークライフバランス・生活時間の確保のためにも、「帰宅後は疲れているので、できるだけ調理の手間を省きたい」「家族を待たせないようパパッと食卓に出せて、なおかつおいしい料理を」とは誰もが願うことですよね。
とはいえ、「休日にまとめて作り置き」に挑戦したものの、遊びに行くことも趣味に没頭することもできず、せっかくの休みなのに作り置きだけで時間がつぶれてしまった…という残念な経験を持つ人も少なくないのでは。
そこでおすすめしたいのが、料理研究家・上田淳子さんが提案する「ごはんのしくみ」です。
今日の夕飯のための「かんたんクイックレシピ」作りと、いつかのための「らくちんストックレシピ」の合わせ技。これを実践すれば、毎日の料理ストレスから解放されること間違いなしです!
料理ストレスが激減!今日から実践したい「ごはんのしくみ」
「かんたんクイックレシピ」とは、少ない材料を使い、5~15分の調理でパパッと作れる夕飯メニューのこと。
遅く帰った日や疲れた日には大助かり。その日に作るので、食材の新鮮さを味わえるのも魅力です。
一方の「らくちんストックレシピ」は、肉や魚に下味をつけたり、野菜を切って塩でもんだり、軽く仕込んだ食材のストックのこと。
仕上げまで終える作り置きとは違い、手早くできるだけではなく、その日の気分に合わせて様々なメニューに活用できるのもポイントです。
この2つを同時進行。夕飯を作りながら、同じ材料を使ってゆるストックを仕込むのが、上田さんがおすすめする「ごはんのしくみ」です。
例えば、鶏もも肉を2枚買ってきたら、1枚はその日の夕食のために使います。残りの1枚は、冷蔵庫に入れる前に調味料をからめ、保存容器へ。これだけで、あっという間にストックの仕込みが完了するというわけ。
ここでは、具体的なレシピをご紹介しましょう。まずは「かんたんクイックレシピ」2つです。
どちらも調理時間は15分!これなら仕事から疲れて帰って来ても苦になりませんね。
【かんたんクイックレシピ①】鶏肉とじゃがいものアーリオオーリオ
にんにく&とうがらしの風味が食欲をそそるイタリアンおかず。
じゃがいもは下ゆでせず、フライパンでふたをして蒸し焼きに。
同じフライパンで鶏肉を焼けば、洗い物も少なくて超ラク♪冷めてもおいしく食べられます。
●材料(2人分)
鶏もも肉…1枚(250g)
じゃがいも…2個(300g)
にんにく…1かけ
赤とうがらし…1本
塩…小さじ2/3
オリーブ油…大さじ1
●作り方
① じゃがいもは2㎝角に切ってさっと洗い、水けをきる。にんにくは薄切りにする。鶏肉は6〜8等分に切り、塩小さじ1/3をすり込む。
② フライパンににんにく、赤とうがらし、オリーブ油を入れて中火にかける。ときどきまぜ、にんにくに軽く焼き色がついて赤とうがらしが茶色くなったら、じゃがいも、水大さじ2を加え、ふたをして5分ほど蒸し焼きにする。
じゃがいもにほぼ火が通ったらふたをとり、塩小さじ1/3を振ってまぜ合わせる。
③ ②のフライパンに鶏肉を皮目を下にして入れ、皮目に焼き色がついたら上下を返して、じゃがいもとまぜ合わせ、ときどきまぜながら、5分ほど焼く。
器に盛り、好みであらびき黒こしょうを振る。
【かんたんクイックレシピ②】鶏肉のクリームコーン煮
鶏肉の焼き付けから煮込みまで、フライパン1つでOK!
クリームコーン缶を使えば、短い煮込み時間でこっくりとした味わいに仕上がります。
大人も子どもも大好きな味。
●材料(2人分)
鶏もも肉…1枚(250g)
クリームコーン缶…1缶(190g)
ブロッコリー…1/2 個(150g)
牛乳…150㎖
小麦粉…適量
塩…小さじ2/3
こしょう…適量
サラダ油…小さじ1
●作り方
①ブロッコリーは小房に分ける。鶏肉は6等分に切って塩小さじ1/3をすり込み、小麦粉をまぶして余分な粉を落とす。
②フライパンにサラダ油を中火で熱し、①の鶏肉を皮目を下にして焼く。軽く焼き色がついたら上下を返し、さっと焼く。肉から出た脂をキッチンペーパーでふきとる。
③牛乳を加え、ひと煮立ちしたら全体をまぜる。とろみがついてきたらクリームコーン缶、ブロッコリーを加えてふたをし、煮立ったら火を弱め、ときどきまぜながら3分 ほど煮る。塩小さじ1/3、こしょうで味をととのえる。
【らくちんストックレシピ】鶏もも肉のはちみつみそ漬け
買ってきた2枚の鶏肉のうち、もう1枚はみそとはちみつに漬けてストック。
はちみつを使うことで肉がやわらかく仕上がります。調理の仕方によって、仕上がりはいろいろ。
冷蔵なら4日間、冷凍なら1カ月以内に使いきりましょう。
●材料(2人分)
鶏もも肉…1枚(250g)
みそ、はちみつ…各大さじ1~1と1/2
●作り方
鶏肉は半分に切り、まぜ合わせたみそとはちみつをからめる。
保存容器や保存袋に入れ、冷蔵室で1日置く。
ストックした「鶏もも肉のはちみつみそ漬け」を使ったアレンジレシピを2つご紹介します。
どちらも調理時間は10分。
【アレンジレシピ①】鶏肉のみそ蒸し
一つめは、電子レンジで作る「鶏肉のみそ蒸し」です。
グリーンアスパラのシャキシャキ感をなくさないために、時間差で投入するのがおいしく作るコツ。
●材料(2人分)
鶏もも肉のはちみつみそ漬け…全量
グリーンアスパラガス…1束(2〜3本)
●作り方
①アスパラは長さを3等分に切り、かたい部分をピーラーでむく。
②鶏肉は耐熱皿にのせてラップをふんわりとかけ、電子レンジで2分30 秒ほど加熱する。
③一度とり出して上下を返す。アスパラをのせて再びラップをかけ、さらに2分ほど加熱する。
④とり出してあら熱をとり、鶏肉を食べやすい大きさに切り、アスパラとともに器に盛る。
※鶏肉を皮つきのまま電子レンジで加熱すると、鶏肉が庫内に飛び散ることがあります。
加熱前にラップをきちんとかけるようにしてください(皮つきの別の肉や魚も同様)。
【アレンジレシピ②】鶏肉のはちみつみそグリル
焼いたみその香ばしさがたまりません!冷めたままで食べても十分美味。
あたため直すと香ばしさが減って逆効果になるのでご注意を。
●材料(2人分)
鶏もも肉のはちみつみそ漬け…全量
アーモンド(あらく刻む)…大さじ1
●作り方
①鶏肉は魚焼きグリル(両面焼き)で焦げないように様子を見ながら8分ほど焼く。
②食べやすく切って器に盛り、アーモンドを散らし、好みでフリルレタスなどの葉野菜を添える。
クイックレシピもストックレシピも、料理ビギナーさんが簡単に作れるものばかり。
おいしい夕食をラクに食べることができる「ごはんのしくみ」で、忙しい毎日を元気に乗り切って。
▶他のレシピを知りたい人はこちら!
『作って仕込んでパパッと完了! ずっとラクするごはんのしくみ』(主婦の友社刊・1540円) https://books.shufunotomo.co.jp/book/b10053084.html
著者プロフィール
上田 淳子(うえだ じゅんこ)
料理研究家。大学卒業後、辻学園調理技術専門学校に入学。卒業後、スイスやフランス・パリのレストランなどで修業を積む。帰国後は東京でシェフパティシエを経て、料理研究家として独立。フレンチの確かな技術をもとに家庭で作りやすいレシピには定評があり、雑誌や書籍、テレビなどで活躍。『今あるフライパンで最高の味 NEWONE PAN RECIPES』(主婦の友社)、『フランス人は、3つの調理法で野菜を食べる。』(誠文堂新光社)、『ほったらかしでおいしい!オーブンで焼くだけレシピ』(Gakken)など著書多数。
Instagram @ju.cook