2023年127日(土)、主婦の友社のSDGsプロジェクトの一環として、「地球に優しく未来へつながるSDGsなクリスマスリースワークショップ」が開催されました。

今回のレポートでは、イベント当日の様子や参加者の声を通して、サステナブルな取り組みを身近な体験として感じるイベントの魅力をお伝えします。

森の香りに包まれた、穏やかなひととき

使用したのは、市場には出回らない不揃いの生ヒバ。形や長さがまちまちという理由で通常は廃棄されてしまう素材。今回はそのヒバを使用し、サステナブルな視点を持ったリース作りに挑戦しました。

会場には、生のヒバから広がる爽やかな香りがふんわりと漂い、まるで森林浴をしているかのような心地よさに包まれました。

「自然の中にいるみたい」「香りに癒された」「気持ちがふっとやわらいだ」など、参加者の皆さんも心からリラックス。忙しい日常から少し離れて、自分自身と静かに向き合うような、贅沢なひとときでもありました。

リースのデザインはすべて自由。参加者それぞれが好きな枝や飾りを選び、個性豊かな作品に仕上げていく様子は、とても印象的でした。

親子での参加も多く、子どもたちが真剣な表情でヒバを束ねたり、親子で相談しながら飾りを選んだり、協力してヒバを飾りつける姿なども見られ、会場全体が温かい空気に包まれていました。

ロスフラワー®︎を通じて知る、花と森の未来

講師を務めたのは、フラワーサイクリストとして活動する中村佳世さん。花の廃棄問題に取り組みながら、保育園や学校で造形教室を開くなど、精力的に活動されています。

「最近、お花を飾ったのはいつですか?」という問いかけから始まった講義では、流通の過程で行き場を失ってしまうロスフラワーの存在や、日本の森林の現状についてお話がありました。

中村さんは、日本の国土の約70%を占める森林が高齢化や環境の変化により危機的な状況にあること、そして今回使ったヒバも、本来なら売りものにならないという理由で廃棄される予定だったことを、丁寧に伝えてくださいました。

「花の未来を子どもたちに託し、ロスフラワーが少しでも減るように。子どもとお花と地球に優しい未来をつくっていきたい」

そう語る中村さんの想いに、多くの参加者が耳を傾けていました。

小さな体験が、未来を考えるきっかけに

今回のイベントでは、ただリースをつくるだけでなく、「自然とどう向き合うか」「どんな選択が持続可能な未来につながるか」といった問いを、参加者一人ひとりが自然に考える時間になりました。

イベント終了後、参加者の方々からは、「環境のことを自分ごととして考えるきっかけになった」「SDGsという言葉に少し構えてしまっていたが、身近なことから始められると感じた」といった感想が寄せられました。

手作りのリースは、クリスマスを彩るインテリアであると同時に、環境への小さなアクションの証でもあります。サステナブルな視点で素材を選び、自分の手で丁寧につくり上げたからこそ、その作品はより特別な存在として心に残るのではないでしょうか。

完成したリースはどれも個性豊かで、世界に一つだけのオリジナル。本来であれば捨てられていたかもしれない素材が、手をかけることで新たな価値をまとい、美しいかたちに生まれ変わりました。

 

主婦の友社では今後も、身近な体験を通してSDGsを知り、感じることができるイベントを継続的に展開してまいります。一人ひとりのできることが、未来を育む一歩になるように。これからも、多くの方と共にその一歩を歩んでいけたらと思っています。